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透析マネジメント / 櫻堂の本棚 / 非営利組織の経営 〜原理と実戦〜

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非営利組織の経営

■非営利組織の経営
〜原理と実戦〜

P.F.ドラッカー著
上田惇生訳 ダイヤモンド社

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「非営利組織の経営 〜原理と実戦〜」は、昨年11月に逝った「経営学の父」と言われたP.F.ドラッカーの著書です。本書は、フィリップ・コトラー等とのインタビューを通じて、病院やNPOなど非営利組織のマネジメントとリーダーのあり方について明らかにしており、経営にとって重要なキーワードが随所に散りばめられています。ドラッカーならではの力強い言及は、医療機関経営者にとって、大変刺激的であり、これまでの医療機関経営のあり方、ひいては経営者自身の生き方をも考えさせられる1冊です。

リーダーがまずなすべきことは、使命を定めること!

本書でドラッカーは、使命が第一に重要あり、リーダーがまずなすべきことは、よくよく考え抜いて、自らあずかる機関が果たすべき使命を定めること、そして使命があるからこそ、明確な目標に向かって歩くことができ、目標を成し遂げるために組織の人間をも動員することができるのだと述べています。そして使命には、「何が機会であり、何がニーズであるか」「しかるべき成果が上げらそうか」「能力を有しているか」「信念をもってやれるか」つまり、“機会”“能力”“信念”の3つが表現され、組織の一人ひとりが目標を達成するために自分が貢献できることはこれだと思える現実的なものでなければならないと指摘しています。“使命”を掲げていない、あるいは意識すらしていない医療機関もあります。たとえ“使命”があっても、きれいな言葉が並べられ、形式的ものだったり、職員ひとり一人には理解されていない場合も多々ある現状で、ドラッカーの指摘は、医療機関経営者に経営の本質を見直すきっかけを与えることでしょう。

利益は成果を測定する尺度

本書で特に目を引くのは、“すべての機関の最終的な評価は成果であり、利益は成果を測定する尺度だ”と指摘している点です。いいことをしているという大儀があるがゆえに成果や結果を重視しない傾向にある非営利機関、ことに患者の命にかかわるサービスを提供している医療機関にとって、”利益“という言葉は、あまりいい響きを持たないでしょう。 それどころか“医療で利益を得ることを罪悪視する”マインドが多くの医療者(経営者)にあります。しかし、利益は、質の高い医療サービスを提供した結果、成果として得られるものです。そして、利益がなければ、質の高い医療サービスを提供するために、職員を教育したり、設備を整えたりすることもできません。適正な利益を得る努力をしない医療機関こそ、社会にとって罪なのです。

どのようなことで人々に記憶されたいか

本書は、“組織として、個人として、どのようなことで人々に記憶されたいか”という言葉で締めくくられています。ドラッカーのこの言葉は、経営者だけでなく、全ての人に人生そのものを深く考えさせられるものです。

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