透析医療機関経営者に役立つコラム

これからを生き抜く為に必要なこと

透析マネジメント / 櫻堂渉のコラム / No.15 これからを生き抜く為に必要なこと

櫻堂渉のコラム

櫻堂渉のコラム

【2008年2月 No.15】

■これからを生き抜く為に必要なこと

W・チャン・キム + レネ・モボルニュという二人の著者の経営戦略コンセプトで‘これからを生き抜く為の戦略’と説かれる『ブルー・オーシャン戦略』というものがある。彼らのコンセプトは非常に明快である。

まだ見ぬ価値の創造

彼ら曰く、現在の市場は「レッド・オーシャン(赤い海)」と「ブルー・オーシャン(青い海)」から構成されていて、前者は、血みどろの戦いが繰り広げられる市場を、後者は競争者のいない、まだ生まれていない市場、未知の市場空間を意味しており、対照的な市場である。もっとも現在はあらゆる市場が飽和状態で、各社ともライバルを凌ごうと、限られたパイの争奪を繰り広げているのだが、競争相手が増えるにつれ、利益や成長の見通しは厳しくなり、製品の供給は過剰化、価格競争も加速していくという厳しい状態になっている。世界中の市場はどこを見ても「レッド・オーシャン」ということだ。恐らく、企業経営者は本能的にこの閉塞感、出口のない戦いに希望を見出せないでいることだろう。しかし、彼らは既存のマーケット構造に考え方を制限されず、視点を変えることで、「ブルー・オーシャン」を作り出すことが出来るという。ここで重要なのがどのようにして実現するかであるが、そのカギとなるのが「バリュー・イノベーション(価値の創造)」である。これは「買い手に対して、今だかつてない価値を提供しつつ、利益の上がるビジネス・モデルを構築することによって、既存市場の境界を再定義すること」とされているものなのだが、彼らの言う「ブルー・オーシャン戦略」とは、この考え方に基づいて市場の境界線を引き直すことで「差別化」と「低コスト」を同時に目指すことが出来る、というものである。この考え方は全ての業界に通用するといえる。何とポジティブなメッセージだろうか! 私が、経営戦略を勉強してきて頭に刻み込まれた言葉がある。それは「最高の経営戦略とは、戦わずして勝つことである」だ。シェアを争う、徹底的に強みを発揮して相手を打ち負かす、相手より先に新製品を出して市場を占有するなど、どれも口で言うのは容易だが大変な努力を要する。一時的にライバルに勝ったように見えても、明日には直ぐに転落してしまう。市場における競争というのは、それほど熾烈だ。出来れば、競争のない市場に行きたいと、経営者であれば誰しも夢見ることだろう。そう、私の脳裏に刻み込まれた言葉は「ブルー・オーシャン」だったのだ。

今、直面している市場の現況は?

話を透析市場に移してみよう。今、あなたの直面している市場はどうだろうか?

  • ◆ 市場は顧客が次々と生まれる成長期だろうか?
  • ◆ 地域には透析施設がなく、あなたの施設だけという状態だろうか?
  • ◆ 新しい透析の技術やデバイスが盛んに開発され、薬も新製品に溢れているだろうか?
  • ◆ 診療報酬は上がり、患者単価は増加しているだろうか?

もし、全てがイエスならば、あなたの市場は安泰だ。しかし、事実は全く逆だろう。完全に成熟化した市場、次第に激化する競争−既に製品や技術はコモディティ化し、患者単価は低下している。こうなると閉塞感に息詰まり、希望の光が見えない。現実はこうではないだろうか?

今ある現実を客観的に分析する。

もし、あなたが現在の状況から脱出したいと考えるならば、この本に答えがあるかもしれない。「ブルー・オーシャン」をどのように見つけるか? まずは現状を分析することだ。この本は、そのためのフレームワークや様々な参考事例を提供している。

医療界のために書かれた本でないと役に立たないか、というとそうではない。政府の動向を窺い、医療界で識者といわれる人の話をいくら聞いても、答えは出てこない。なぜならば、現在は視界0(ゼロ)の変革期だからだ。このような状況にあって、我々に求められるのはこれまでとは異なるアイデア、思考態度なのだ。つまり、あなたの視点を業界以外に向けることこそがこれからの生存条件なのだ。

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ブルー・オーシャン戦略

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する
(Harvard business school press) (単行本)

W・チャン・キム (著), レネ・モボルニュ (著), 有賀 裕子 (翻訳)

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