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思考の大転換が起こる

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櫻堂渉のコラム

櫻堂渉のコラム

【2008年4月 No.16】

■思考の大転換が起こる

「人」は世界を二元論で考えがちです。
二元論といっているのは内と外、つまり「私」と「私以外の人」という
「私」を中心とする考え方です。

主観=自己依存

よくこういうケースがありませんか?

  • □ 私は他の人と考えが違うから、あの人たちとは一緒に仕事することは出来ない!
  • □ うちの組織は全然駄目だよ、発展性がないよ!
  • □ 何となくあの人は合わない。あの人とは仕事をしたくない!

どうでしょう? よく聞く話ではありませんか?

この例は常に自分と自分以外という二元論に依拠した考え方です。
二元論に陥っている以上、常に自分を基点においた考え方です。
もう少し厳密に言うと、自分の感情に依存していることがわかります。

重要なのは、自分の感情をひとまず横に置いておくという心的態度です。
まず、自分の感情を横におき、それから何が最も建設的か?
あるいは何が最も創造的か?何がもっとも有効な問題解決か?
という視点で考えることが必要です。

人の存在そのものが影響力

実は人は二元論で生きている人がほとんどですが、ここにはパラドックスがあります。
なぜならば、あなた自身が実は自分が属する環境に強く関与していて、
その環境自体に影響を与えているからです。
これは、もの凄い発見だと思いませんか?
仕事をする場、組織、地域、社会にいたるまで、
全てあなた自身が強く影響しているということなのです。

つまり、あなたの部下が「組織が悪い」と言ったとします。
しかし、あなたの部下も組織の構成員で組織に強い影響を与えているのです。
つまり、ここに自己矛盾が存在するということになります。

ベストセラーになったスティーブン・コビー博士の『7つの習慣』によると
「自分の周りを変えたければ、先ず自分を変えなさい」という法則があります。
理論的にはどうもしっくりきませんでしたが、ピーター・センゲの『出現する未来』
を読んで初めて明らかになりました。
結論は同じことですが、より理解が深まります。
是非、一読をお勧めします。

人は変われる!!

さて、二元論からどう脱却するかが組織の問題だという指摘をしてきましたが、
人はなかなか変わることが出来ません。
しかし、ある時を境に何か変わり始めることがあります。

人は自然の中で突然閃きを感じるということや、
逆境の中で悟りをひらくこともあると言われています。
ただ、全ての人がその状況や環境に身を置くことは不可能です。

それに変わる方法として、組織学習を積み重ねることにより、
次第に「思考する」という訓練があります。
これまで一般的に行われてきた研修はスキルや
知識トレーニングが主流でしたが、スキルトレーニングで人を変えることは
出来ませんでした。

必要なのはこれまでとは違った学習なのです。

一見、効果が出そうも無いような思考を主体としたトレーニングが重要なのです。
私は、クライアントにシナリオプランニングという手法を用い、
起こりうる可能性のある複数の未来(シナリオ)を想定することにより、
不確実性の高い環境の中で適切な意思決定を行うことを可能にする
トレーニングを繰り返しています。
重要なのは、実務上の具体的な問題を話すのではなく、
視点を遠くに置き、自分のことはとりあえず横に置き思考することです
全員で対話をしながら未来のシナリオを描くのです。

私が使用しているのはミレニアムシナリオというシナリオプランニングと言って、
環境条件が変化したとき、組織の最悪のシナリオを想定するというものです。
最悪のシナリオを想定すると何が起こるのか。
最悪を想定した時に人は自分と切り離され、完全に二元論から脱却します。
そして、次第に自分自身が組織の構成要素であるということを理解し始めます。
ここが、思考の大転換なのです。
自らが環境の一部であるということを理解することほど重要な意識転換はありません。

シナリオプランニングにはこれをリードする学習リーダーの存在が重要ですが、
まずはこの技法を基本としてあなたがリーダーになって職員の深い思考へ
誘ってはいかがでしょうか?
きっと、明るい未来が待っています。

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